さて、最初のコラムとして何を書くべきかと考えたのですが、会社のサイトですからまずは社名の由来について書いてみようと思います。
社名をどうするか?これは多くの創業者が悩むことだと思います。私もそうでした。かっこいい名前、親しみやすい名前、覚えやすい名前、書きやすい名前、そしてこれから生まれる会社への思いを表現した名前。ですから社名の由来を話すことで、特に弊社のような若い会社は、応募者の方にどのような会社か理解して貰えるのではないか、そんなことを考えてテーマとして選んでみました。
「いろは技研」という社名は2つの単語から構成されているので順番に書いていきます。
まず「いろは」ですが、これはご存知の通りいろは歌のいろはです。一般には物事の初歩、基礎という意味で使われていますね。いろは技研はソフトウェアという新しい技術を扱う会社です。しかし、ソフトウェア業界というのは新しい技術がどんどん出てくる反面、昔からの課題を未だに乗り越えられず、デスマーチなどと呼ばれる仕事の仕方を続けている進歩のない業界でもあります。実際には開発手法やツールの整備など進歩している部分もありますが、システムの大規模化、複雑化、短納期化に追い付けていません。結果として今日でもソフトウェアの開発は失敗プロジェクトに事欠かない状況です。そしてこのひどい状況は多くの場合、開発の基本的なことをおろそかにしていることに原因があります。
いろは技研の「いろは」はこの基本を大事にするという思いを表現をするために付けました。
次に「技研」という単語ですが、これは「いろは」とは逆に新しいものを追及していくという思いから付けています。基礎を固めればその上に構築されるものは安定します。しかし技術というのは本質的に不安定なものです。なぜなら時代とともに進歩していくことを要求される宿命にあるためです。これは技術者の好奇心にも原因があると思いますが、私自身もそうあるべきだと考えています。だって、その方が楽しいですから。
「技研」という単語には自ら新しい技術を生み出していく、そんな思いが込められています。
これだけであれば「ABCテクニカルラボラトリーズ」でも良いのですが、いろは技研は日本の会社です。日本のソフトウェア業界は世界的に見てどうもぱっとしません。普段使っているソフトウェアも外国製のものが多いですし、開発自体中国やインドに押されています。やはり日本の会社もやれるんだ、ということを表現するには日本語の社名の方がふさわしいだろうと考えて純和風の社名になっています。
ちなみに、社名の由来である基本を大事にしつつ発展していく思いは会社のロゴにも表現されています。ロゴは下に影をつけた「い」の字をモチーフにしています。これは地(基礎)を見据えた技術集団を表しています。そして右上がりのらせんで基礎の構築と技術の進歩が良い循環を作って高みを目指すという願いを表したデザインです。